TMFとはどのようなETFか
買い場の判断材料は何なのかを
前編で取り上げました。
【米国株】2024年はTMFに注目!(前編)
– 阪神ファンのFIRE日記 (yukuri-fire.com)
後編では、TMFの売るタイミング
出口戦略をどうするかをブログ
記事のテーマとして考えていきます。
売却シナリオ1 ソフトランディングを想定
まず前提として景気後退の兆候が
アメリカだけでなく、世界的な
規模で表面化しはじめています。
ユーロ圏PMI、さらに悪化-景気後退入りの確率「極めて高い」 – Bloomberg
ソフトランディングの場合は・・・
①FRBが利下げ時期を適切に
判断し、予定通り1回の利下げ幅が
0.25%の小幅な利下げを複数回行う。
↓
②FRBが中立金利と表明している2.5%に
向かって利下げしていく過程で
企業の決算が2023年に発表していた
ガイダンス通りの業績で想定以上に
悪化せず乗り切る。
↓
③来年後半から2025年に利下げの
恩恵を受けて企業の成長が加速する。
このように推移する見込みです。
なお中立金利の意味は
305.pdf (nomura-am.co.jp)の
「中立金利とは」参照。
TMF投資家から見て、ソフトラン
ディングシナリオはあまり好ましい
とは言えません。なぜなら急激な
景気後退で企業決算・失業率が
悪化したから、FRBが緊急利下げや
ゼロ金利政策・マイナス金利政策を
発表するということはソフトラン
ディングでは起こらないからです。
TMFは長期金利が下がってなんぼの
ETFなので、FRBが中立金利を変更
することなく利下げが終わるのは
TMFがあまり大きく伸びない場合の
シナリオです。(長期金利が大きく
下がる場合は、中立金利の設定も
下げることになる)
このシナリオで利確を考えるなら
TMFで得られるキャピタルゲインは
少なめとなります。
少ない利益と言っても
TMFだと数十%の利益になるのだ
売却タイミングで留意すること
ただしこの中立金利は多少曲者で
FRBが現在設定している2.5%が
その後の情勢次第で変わることも
ありえます。例えばこの2か月の
間でも微妙な変化がありました。
SF連銀総裁、名目中立金利3%に上昇の
可能性も-従来推計2.5% – Bloomberg
↓
FRB、金利据え置き 引き締め終了を示唆:
識者はこうみる | ロイター (reuters.com)
それ以外だと、FRBの経済見通しが
ソフトランディングから急激な景気後退に
(いわゆるリセッション)変わるかも
しれないと予測する指標として「Fed Watch
ツール」のリンクを貼りました。このことは
TMFの利確ラインを判断する上で重要です。
CMEのFedWatch ツール – CME Group
左側のタブに「Target Rate」という
表示があると思います。
その下にある「Probabilities」を選択して
クリックしてください。
下のような図表が出てきます。
現在の米政策金利が5.25~5.50で、来年は
3月から6回の利下げを織り込んでいます。
↓
Fed Watchとは今後のFOMCでアメリカの政策金利の
誘導目標が変わる可能性を確率で示した指標なのだ
売却シナリオ2 リセッションを想定
ただ FRBの計画的通りに利下げが
行われて、ソフトランディングに
成功したケースは歴史上あまりない
のも事実です。直近のコロナショックや
リーマンショックのときも緊急利下げに
動いています。
FRBが1%緊急利下げ ゼロ金利に、
量的緩和も再開 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
また別の角度からの見方もあります。
2023年は株価が急ピッチで上がり過ぎて
2024年の相場を迎えるタイミングで
歴史的に初回利上げからリセッションが
始まるまでの平均期間は約27カ月と
ちょうど2024年の時期に重なるのです。
このため景気後退の兆候が経済指標で
出始めている状況で、2024年の株価が
急落しやすい材料が揃っているのです。
株式相場は高過ぎる、米リセッションの
リスクに極めてぜい弱-RBC (msn.com)
まとめ
今回の記事を大方書き終えたところで
新しいニュースが入ってきました。
米REITが連邦破産法11条の適用申請-
商業用不動産の不振浮き彫り – Bloomberg
直近の11月アメリカ新築住宅販売件数の
指標がかなり悪かったので、このような
異変が起こることもある程度納得です。
リーマンショックの原因も住宅市場の
悪化がきっかけで暴落が始まったので
このニュースも後の展開にどうつながるか
警戒しておいた方がよいです。
アメリカ・新築住宅販売件数|経済指標|
みんかぶ FX/為替 (minkabu.jp)
1からわかる!景気【中】バブル景気・
リーマンショックって何?|NHK就活応援ニュースゼミ
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