11月14日のザラ場終了後にFRONTEOの
決算が発表されました。
2Q単体の経常収支が黒字浮上となり
前年度から続いていた連続赤字決算に
一応の終止符は打ちました。
今回ブログで取り上げるFRONTEOは
私が株を始めた2021年に
株価が暴騰し数百万単位の利益を
稼がせてもらった一方で、その翌年に
出た突然の減益決算でナンピンと
塩漬けに苦しめられるという株の天国と
地獄を経験した銘柄です。
減益決算発表後になんとか売り逃げた
後のFRONTEOは、そこから1年以上の
赤字決算の泥沼にハマることになります。
「グロース株は1年未満しかホールド
しない。さらにもっと伸びしろが
あるかな?と思っても一切気にせず
売る」という私の投資哲学はこの銘柄で
経験したことが土台となっています。
FRONTEOの黒字決算をどう見るか
では今回の2Q単体黒字決算を黒字転換の分岐点と判断してFRONTEOに
投資するべきなのか?を考えたいと思います。2Q決算の内訳を確認する
ため決算資料を見てみましょう。(下記PDFは FRONTEO 決算説明会資料)
00.pdf (eir-parts.net)
まずFRONTEOの決算でいい点・悪かった点を簡単にまとめました。
いい点
・AIソリューション分野のビジネスインテリジェンスAIが大きく伸びたところ
(三菱UFJの大型案件が寄与したと思われる)
・新規事業で売上予測が未知数だった経済安全保障AIに一定の需要が見られた。
悪かった点
・課題とされていた売上が前年・一昨年と比べて低調なまま
・主力事業であるリーガルテックAIの決算報告が去年までの内容と
大きな変化なし
2Q決算の単体黒字を牽引したビジネスインテリジェンス分野は三菱UFJの大型案件が
寄与したのが要因というのが少し気になります。2年前に決算の数値が良好で株価が3桁から
5000円台まで上昇しましたが、これはリーガルテックAI分野で東芝のフォレンジック調査が
大型案件となり想定以上の利益が出たからです。しかし大型案件終了後はリーガルテックAIの
収益が大きく飛躍することはなく、前年に引き続き構造改革の途上にあります。
こうしたこともあり、今回 三菱UFJの大型案件でビジネスインテリジェンス分野の決算が
良化したことも一過性の疑いがあります。
日本経済新聞に、デジタルフォレンジックに関する記事が掲載されました | FRONTEO, Inc. | 自社開発のAIでビジネスソリューションを提供
それでも減益決算で株主を軽く失望させて、そこから年度途中の下方修正で
赤字決算を連発した去年と比べて底を脱した感はあります。
前年度の下方修正の流れとしては・・・
①去年の5月 FRONTEOの顧客データに不正サクセス(サーバー攻撃)被害が発生
したため情報セキュリティ対策費で億単位の特別損失を計上したことによる下方修正
↓
②来期以降に向けた先行投資・弱点の営業力を強化するための人的投資を行うため
費用が増大するも、想定より大型案件が取れずに下方修正
こうした経緯があるためFRONTEOは東芝の調査報告書案件というイレギュラーな事件による
大型案件を獲得しただけの一発屋で、頻繁に協業IRを出したり新しいAIを開発しても
ほとんど利益に繋がらない会社だとネガティブ視する見方もありました。
(PER100を超える高PER・膨大な買い残のためIRを出しても、だんだん株価が反応しなくなり
上値が重くなった事実もある。去年の下方修正の具体的な内容は下記参照)
FRONTEOがストップ安売り気配、最終赤字・無配予想を嫌気|会社四季報オンライン (toyokeizai.net)
FRONTEOがストップ安売り気配、今期一転赤字予想を嫌気|会社四季報オンライン (toyokeizai.net)
最後に
リーガルテックAIは下期より改善見込みとの決算説明の文言をどの程度信用するかが
問題になりそうです。2Qで辛うじて単体黒字決算の状態からどのようにして
通期決算で1億円を超える黒字決算を出すのかロードマップがはっきりしないので
半信半疑に思っている株主も少なくありません。また想定より収益が改善しなかったとして
今年も下方修正を出すのではないかと思っているようです。2Qはあくまで単体黒字で
連結の経常収益は赤字なので、その点の数値は下記参照。
(2158 FRONTEO – IFIS株予報 – 業績進ちょくと決算スケジュール)
ただ投資家の中には安定した大型株投資以外の海帆のようなテンバガー狙いの現在赤字の
小型グロース株を投資対象として考えている人もいるかと思います。
そうした観点からいうと、FRONTEOは黒字転換投資法で買いで入るのも悪くないと思います。
FRONTEOは名の知れた大手企業(慶応大学などの有名な大学病院)とも多く取引関係があり
大型案件から想定以上の黒字出した成功体験もあります。ビジネスインテリジェンス分野以外にも
経済安全保障AIやAI医療機器で売上に成長の兆しが見られることもプラス材料です。
さらに2025年くらいまでには認知症AIの特許承認の見通しがあることから、テンバガーの
可能性があるグロース株としてなら現在の700円以下の株価から10倍になる可能性は
大いにあると思います。
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