NPBの全日程が終了し、これから
FAや契約更改などのストーブリーグが
本格化しようとしています。
その契約更改関連で本日このような記事が
スポーツ紙に掲載されました。
【中日】大野雄大、球団改革へ熱弁25分「ニンジンがぶら下がったら…」ヒントは阪神の四球査定 全文掲載(スポーツ報知) – Yahoo!ニュース
阪神方式は簡単にできるのか?
この記事は「阪神の四球査定」に
ついて首脳陣が四球を重視する作戦を
決めたら球団に掛け合って四球の
査定をアップするよう積極的に動いた
ことに着目して現場と球団が一体と
なってチーム強化に取り組むべき
だというのが主旨のようです。
今シーズンになって中日以外の
他球団からも阪神の四球数を評価して
自軍の選手にもっと四球を取って
ほしいという記事がよく見られます。
果たして四球を取れといって、
一朝一夕で簡単にできるのでしょうか?
その点を考えてみたいと思います。
①見逃し三振に対する心理的な壁
まず多く見られるのが、見逃し三振を
極端に忌避する球団が多いということです。
四球を取るということは追い込まれたら、
きわどいコースを捨てる必要があるので
必然的に見逃し三振が多くなります。
ですが特定の監督の名前・球団名は
伏せますが・・・
「見逃し三振は武士が刀を
捨てるようなもの」
「空振りして帰ってくるなら
わかるが、バットも振らずに見逃し
三振でアウトはやる気がない」
といった精神論で見逃し
三振を許さないという方針のチームも
割と多いです。
監督しては見逃し三振のアウトは通常の
凡打よりフラストレーションが溜まり
やすいのはわかりますが、四球数を
増やすための必要経費としてどれだけ
割り切れるかがポイントになりそうです。
【巨人・阿部新監督&中畑氏 新春対談(2)】見逃し三振の度胸をつけろ「挑戦して失敗を恐れない」(スポニチ) | 毎日新聞 (mainichi.jp)
②ファーストストライクアプローチの弊害
また見逃し三振にいたる以前に、
追い込まれてからよりストライクの
初球の方が甘い球が来やすいから
初球から積極的にいけという場合もあります。
巨人の某打撃コーチは「審判がストライク
判定するということはそのゾーンは打てる球
なんだからバットを振りなさいと言うこと
なんだから、どんどん初球からいきなさい」
と指示を出してるそうです。
しかしその狙いが察知されたら去年の阪神
みたいにストライクからボールになる変化球で
投手に簡単に打ち取られるだけですので、
毎試合その作戦一辺倒では機能しません。
これも四球が増えない作戦です。
③横浜のようなケース
今年の横浜のようにチームとして三振と
四球が少なく、併殺が多い球団もあります。
横浜首脳陣がミーティングでどういう作戦を
指示しているかは詳しいことはわかりませんが、
打順全体の個々の打者は牧・宮崎・佐野の
ようなミートがうまくホームラン2桁以上
打てる選手・ソトのような一発長打のある選手
(それ以外にも大和のような得点圏打率が高い
選手であったり、桑原・関根のような
打率.250以上あり俊足で内野安打も狙える選手)
で構成されています。
そのため追い込まれると打率が低くなる&
三振のリスクが高くなる阪神式の四球作戦より
打ってヒットなりホームランを狙った方が
打者の個人成績を見ると効率がいいという
判断だと推測されます。しかし鈍足の選手が
多いので併殺数がリーグダントツ1位であり
得点数もセリーグ4位と機能していません。
まとめ
以上の問題に加えて、阪神の首脳陣の場合は
日本シリーズのときの山本由伸対策で
【低めのストレート狙いで高めは捨てる。
低めの目付を徹底的に意識することで
低めのフォークを見極める】を指示したかと
思えば、山本由伸ほど制球がよくない
佐々木朗希対策には【四隅見逃し三振のOKで
きわどいコースは捨てる】と臨機応変に作戦を
立てる首脳陣の力量が必要になります。
よって四球の査定を上げるだけで、
すぐに四球を増やすことができるか
疑問です。さらに見逃し三振は罰金という
チームルールを採用しているところも
あると聞いているので、見逃し三振が
罰金対象になると四球の査定を上げても
無意味ということもありそうです。
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